小型犬は散歩をする必要はない?
一部のペットショップで「小型犬は室内の運動量で十分なので散歩をする必要はない」と言われることがあるようです。たしかに、”運動量”についてだけ言えば室内で十分な場合もあるかもしれません。
しかし、散歩には運動以外にもたくさんのすばらしい健康効果があります。
今回は散歩がもたらす5つの効果についてご紹介していきたいと思います!
散歩がもたらす5つの効果
1.ストレス解消や解放感
飼い主さんの「お散歩いこうか♪」の声に反応してワクワクするワンちゃんはたくさんいると思います。
家から一歩外にでるとワンちゃんたちの五感を満足させる自然の刺激がいっぱい。
- 季節によって移りゆく景色(視覚)
- そよ風(皮膚)
- 草のにおい(嗅覚)
- 土の感触(皮膚)
- 鳥のさえずり(聴覚)
- 他の犬のにおい(嗅覚) etc.
犬は人間よりも優れた嗅覚と聴覚を持っています。散歩で嗅覚や聴覚を思う存分満たしていあげることで”何かに夢中になったあとの達成感”と似た感覚を覚えるとも言われています。
こうした達成感や満足感は脳への刺激となり、犬のストレスを軽減し、結果的に精神的に落ち着いた状態を保つことに効果があるとされています。
2.日光浴
室内だと十分に日光浴ができない環境だったりしますが、散歩をすることで適度な日光浴ができます。
また、日光を浴びることで体内時計が正常になります。
- セロトニンや成長ホルモンの分泌を促進される
- セロトニンはストレスに負けない「幸せホルモン」と言われていて、不足すると気分が落ち込んだり不安になったりします。また、成長ホルモンは新陳代謝を促してくれる「若返りホルモン」と言われています。
ちょっと大げさかもしれませんが、日光を浴びながら散歩をするだけで幸せな気分になったり新陳代謝があがったら嬉しいですよね。 - 皮膚病の予防
- 紫外線には殺菌効果があるので、太陽光を浴びることによる殺菌作用で皮膚病を予防できる効果が期待できます。
もちろん人間同様、当たり過ぎは良くありません。皮膚がんや白内障のリスクが高まるので、一日30分〜1時間が理想とされてます。 - ビタミンDの合成
- 日光を浴びることで体内に必要なビタミンDが合成されます。ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける働きがあるので、骨を丈夫にする効果があります。
また、ビタミンDは最近では認知症予防としても注目されてる大事な栄養素です。
3.社会性が身につき情緒が安定する
毎日の散歩で知らない人、動物、物に接する経験を増やしてあげることで社会性が育ち、家族以外の人や犬と楽しくコミュニケーションがとれるようになります。
また自信がつくことで、外出先でも知らない人に吠えたり、大きな音に怯えたりすることが減り、室内でも落ち着いて過ごせるようになると言われています。
逆に外に出る機会が少ない犬は、外ならではの物や音に対して極度に恐がったり、パニック状態になったりすることがあります。いわゆる「社会化不足」です。
そのような場合は無理強いせず、何に対して恐がってるのか観察して少しずつ不安要素を減らしていってあげたり、なかなか解決しない場合はドッグトレーナーさんに相談するのも一つの方法だと思います。
実は、我が家の愛犬も怖がりな性格なので、ふだんの散歩は人混みや交通量の多い道はできるだけ避けて、おやつをあげながら楽しい体験になるようにしてます。少しずつ慣れてくれるといいなぁ。
看板犬の桃、6歳
4.筋力低下の予防
運動することで血液の循環が促されます。血の巡りが良くなると、筋力や体力の維持に必要な酸素や栄養素が全身に行き渡り、脳も活性化されます。(=運動不足では酸素や栄養素を効率よく利用できない)
ただただ排泄のためにのんびり歩く散歩ではなく、時には平坦な道をテンポよく早歩きをしてみたり、坂道をゆっくり歩いてインナーマッスルを鍛えたり、緩急をつけると全身運動にとても効果的です。
※シニア犬や持病のある犬、太り過ぎの犬にとってハードな運動はNGです。日頃から愛犬を観察しながら、負担のない運動を心がけてみてください。また散歩前にはストレッチやマッサージで固くなった筋肉をほぐしておくと体を動かしやすく、負担も少なくなるかと思います。
5.飼い主さんとの信頼関係を深められる
”ワクワクする散歩や満足度の高い散歩を大好きな飼い主さんと一緒に体感する”
ワンちゃんにとってこんな楽しいことはないですよね!心もからだも満たされて、飼い主さんとの信頼関係もより一層深まります。また、相乗効果で飼い主さんの笑顔も増えて、「ヒト」の方の健康効果もあると思います。
まとめ
今回、5つの効果をご紹介してきましたが、本当はもう一つ散歩のメリットがあります。それは”健康チェックができる”ことです。「あれ、歩き方が少しおかしいかも」「昨日より歩くのが遅いかな」「いつももっと歩くのに今日は辛そう」などなど。からだの異変にいち早く気づくことができるのは私たち飼い主自身です。いつもと違う変化があった場合にはかかりつけの病院の受診をおすすめします。
また、ケガや病気の際や飼い主さんご自身がご高齢でなかなかお散歩に行けない場合は、お家の窓際で日光浴をしたり、ペットカートに乗せてお散歩を楽しんでいただくのも良いと思います。
いつまでも元気で長生きしてほしい。大切な家族への思いはみんな一緒ですよね!